当院での犬の避妊手術について方針や手順を紹介します。

避妊手術の是非について

当院では、将来的な交配をお望みでない(もしくは悩んでいる)場合以外では、全ての犬で避妊手術を推奨します。

 

避妊手術によるメリットについては、こちらの記事をご参照ください。

避妊手術の方針

避妊手術はなるべく早期の実施を推奨しています。

 

ただし臓器の成長度合いや麻酔リスク、将来の尿失禁発生リスクを勘案し、当院では6ヶ月齢前後以降での手術をご案内しております。

 

また2回目発情以降の避妊手術では、将来の乳腺腫瘍の発生予防効果が低下するため、なるべく2回目発情以前(※)での手術をおすすめします。

※小型犬では1歳〜1歳半以前

避妊手術の内容

当院では、開腹により子宮卵巣を摘出する術式を採用しています。

 

臍直下から下腹部にかけて1本の切開を加え、そこから子宮と卵巣をセットで摘出し最終的に縫合します。

 

内部は糸での結紮や焼烙によって十分な止血を行い、皮膚は非吸収糸での縫合を行います。

 

手術は日帰りで行います。

 

皮膚縫合は術後10日〜14日で抜糸します

避妊手術の費用

当院では獣医広告ガイドラインに従い、オンライン上ではあらゆる処置の費用明示をしておりません。

 

お手数ですが、お電話や診察の際にお問い合わせください。

 

たかつきユア動物病院(木曜・日曜・祝日休診 9:30-12:30、16:00-19:00)

072-697-5505

support@takatsuki-your-ah.net

避妊手術の具体的な手順

術前検査

まず通常外来にて、当院が規定した内容の術前検査を行います。

 

通常の術前検査では15分〜30分以内で検査結果が出ますが、健康診断を利用したり特殊な外注検査が必要な場合は最大2週間程度の待機期間が必要です。

 

検査結果が問題無ければ相談の上で手術実施日を決定し、手術当日の注意事項などをご案内致します。

※手術日は月・火・水・金・土曜日のいずれかですが、術後管理上の理由で月・火・金曜日での実施を推奨します

※先んじて手術予約等の予定が入っている場合は、緊急手術でない限り先約を優先致します

手術当日

手術前日夜から絶食、当日朝から絶水をした上で、朝9:30〜11:00の間にご来院いただきます。

 

原則として問診や身体検査を実施した上でお預かりしますので、お時間には余裕を持ってご来院ください。

 

手術は午前診察終了後のおおむね午後1時〜2時頃に実施します。

 

術後の状態確認のため夕方まではお預かりさせていただき、問題が無ければ午後5時〜6時の間でお迎えとなります。

抜糸まで

術後は抜糸するまで、エリザベスウェアを着用の上で生活いただきます。

 

まず一旦、術部のチェックとガーゼ交換のため、手術日から2日〜4日程度で通常外来にお越しいただきます。

 

術部が問題ないようであれば、更に1週間〜10日経った後に再度ご来院いただき、抜糸して終了です。

※抜糸日は術後10日後以降が目安ですが、状態や年齢等を考慮し2週間程度になる場合があります

周術期の鎮痛について

当院では「マルチモーダル鎮痛」の考えを採用しており、先制鎮痛を含め複数の鎮痛剤を投与した上での手術となります。

 

また術後にも鎮痛剤を数日内服いただきます。

 

それでも痛みの感じ方が強い、あるいはオーナー様のご希望がある場合は、追加の鎮痛剤処方も可能です。

 

以上の積極的な鎮痛管理により麻酔量を最低限に抑えるなど、動物の体に優しい避妊手術を心がけております

※明らかに痛がりそうな動物では、手術中に麻薬系鎮痛薬を追加する場合があります

麻酔モニターについて

麻酔中は、各種モニターにより【心拍数・血圧・SPO2・EtCO2】など複数の生体反応を常時監視します。

 

万一モニターに異常反応が見られた場合は、事前に確保した静脈ルートより各種薬剤を追加をしたり、麻酔量の調整をするなど細やかな対応をします。

 

また術前もしくは手術直後より静脈点滴を開始し、周術期に十分な血圧を維持できるようにしています。

 

また当院では特殊な保温マットにより術中の体温低下をなるべく防ぎ、麻酔の安全管理や速やかな覚醒に繋げています

その他

その他のご不明点や不安な点がございましたら、当院へお問い合わせもしくは診察時にご質問ください。

 

なるべく手術へのご心配を無くせるよう、丁寧にご説明致します。

 

たかつきユア動物病院(木曜・日曜・祝日休診 9:30-12:30、16:00-19:00)

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