院長の木村です。

 

以前に投薬補助器具の紹介をしましたが、今回はそれ以外の投薬方法も説明していきます。

 

今までに動物に投薬した経験のあるオーナー様ならまだしも、特に初めて飼う子で急に投薬が必要になった時はあせっちゃいますよね。

その時に大事なお薬をしっかり飲ませるためにはどうしたらいいか。

今困っている方や予習しておきたい方は是非記事を見ていってください。

 

🟠投薬方法のまとめ

  1. 手に乗せる
  2. ドライフードに混ぜる
  3. ウェットフードに混ぜる
  4. ちゅ〜るに混ぜる
  5. 好物に混ぜる
  6. 投薬補助食品を使う
  7. 投薬補助器具を使う
  8. 溶かして与える
  9. 指で押し込む

 

いやー、いっぱいありますね。長くなりますが1個ずつ解説していきましょう。

 

 

1.手に乗せたら勝手に食べる

 ごくごく稀にいる程度です。そういう子には感謝しましょう。

 コツとしては新しいオヤツを持ってきたみたいな雰囲気で出すことです。

 

 

2.ドライフードに混ぜる

 可能だったらかなり楽なパターンです。ご飯をがっつくタイプの子向け

 大体の子はフードだけ食べてお皿にはポツンと薬が残ります。

 

 

3.缶詰に混ぜる

 団子にしたり粉状にした薬を練りこんで与える方法です。

 これもやはりガツガツ系の子は気にせず食べます。

 匂いに敏感だったりちょっと神経質な子は警戒して食べなくなります。

 
 小さめに形を仕上げたら強引に口に塗り込む方法も有効です。

 缶詰は投薬用に小分けで冷凍して都度レンチンすると便利です。

 
 大事なポイントはまず薬入りの少量の缶詰を与えることです。

 最初から薬を全量の缶詰に混ぜると食べ残した時が大変になります。

 

 

4.ちゅ〜るに混ぜる

 かなり簡単かつ有効です。錠剤・粉薬・犬・猫いずれもOKです。

 とても自由に使えるし最初から個包装されているのも便利です。
 

 食欲がかなり落ちている子や警戒心がだいぶ強い子はこれも抵抗します。

 混ぜて口に塗り込むのもいいですが汁気の問題で薬のロスが多くなります。

 途中から警戒して食べなくなる子もいるので普段と違う味を投薬用にしたほうがいいかもしれません。

 
 基礎疾患持ちの子にも安心してお使い頂けるものもあります。

 

 

5.好物に混ぜる

 パン、肉、さつま芋、おやつ類が代表格でしょうか。

 これもやはり有効です。

 
 ただし、包む量を注意しないと投薬でカロリーオーバーしていく子達がそれなりにいます。

 パンの塩分も注意です。意外とバニラアイスが好きな子もいます。

 

 

6.投薬補助食品を使う

 好物と似ていますが、投薬のしやすさで軍配が上がります。

 
 当院にあるものでは「おくすりちょーだい(左、チーズ味)」と「フレーバードゥ(右、魚味)」になります。

 どちらも味付きのもので、小分けのものも準備しています。

 錠剤を包んだり、粉薬を練り込んだりと自由に使えます。

 

 

 

  ※へんな写真配置ですみません

 

 

 

 

 

 

 

 

7.投薬補助器具を使う

 特殊な形状の補助器具を使って投薬します。

 
 素手の強制投薬に慣れていない方、アレルギーで他のものを使えない場合や嫌がって咬みにくる子におすすめです。

 それでも多少の慣れは必要です。

 

 

8.溶かして与える

 薬を粉状にした後に少量の水(0.5~1cc)で溶いてスポイトで口に入れる方法です。

 
 粉にするときは最初からラップで上下挟むと作業が楽になります。

 薬液を流し込む角度など少し慣れは必要ですがまだやりやすいです。

 
 入れる場所は犬歯のすぐ奥側の少し開いてる隙間です。

 そこから舌上に薬液を2−3回に分けて置いていくイメージです。ぺろぺろします。

 一部の頑固な子はイーッってしたままで反対側の唇から薬液がこぼれていきます。

 
 病院からスポイト代わりの注射筒(シリンジ)もお渡しできます。

 

 

9.指で押し込む

 一番難易度が高いです。

 準備が楽、早い、アレルギーも気にしなくていいと利点は多いものの玄人向けの方法です。

 
 利き手の反対側で上顎側から上犬歯の奥に指を入れて口を開けさせます。

 開いたら利き手に持っている薬を舌の中心を意識しながら人差し指でなるべく奥まで突っ込みます。

 押し込めたら口を閉じて喉を撫でたり鼻に息をふきかけて嚥下させます。

 
 ※猫の場合はさらに少量の水で薬を胃に流しこみます。

  特にビブラマイシンという薬はこれを怠ると重大な食道炎を起こす可能性があるので注意が必要です。

 ※2回以上失敗して薬がべたべたになったら他の手段に切り替えましょう。

 

 

番外編としてピンセットで投薬する方法もありますが、危険が伴うので

獣医師と動物看護師以外にはおすすめできません。

 

 

「ちゅ〜る・缶詰・おやつ・溶かして」辺りがよくご家庭で使われる方法でしょうか。

だからといって別にそのやり方にこだわる必要はありません。色々試してみてください。


投薬はまず「お互いに苦痛なく確実に」行うことが大事です。

いくら良いお薬でも飲めなかったら意味が無いですからね。

 

それでも困った際はご相談ください。

その際には動物を連れてきていただいたほうがやり方をイメージしやすいと思います。

 

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