院長の木村です。

 

今回の記事では、これからお問い合わせが増えてくるであろう狂犬病ワクチンに関してのQ&Aをお話しようと思います。

 

接種するタイミングや健診との兼ね合い、混合ワクチンとの関連など大切な情報を記載しております。

 

どうぞお時間ある時にご一読ください。

狂犬病ワクチンについて

お飼いのわんちゃんには、1年度に1回のワクチン接種を受けさせなければいけません。

 

これは狂犬病予防法によって、犬のオーナー様に『義務』付けられているものです。

狂犬病ワクチンの接種時期

高槻市HPによれば接種時期は「2022/4/1〜12/31」と案内されています。

 

ただし案内の接種時期はコロナ禍での特別対応であって、来年以降に同時期かは未定ですのでご注意ください。

 

また案内の接種時期を過ぎた状態でも、年度内の接種が済んでいない場合は接種しなければいけません。

狂犬病ワクチンの接種会場

例年は4〜5月頃に特設の集合注射会場にても接種が実施されています。

 

しかしコロナ禍の影響により本年(令和4年)度の開催は中止されていますので、当院にて接種をご予定ください。

狂犬病ワクチンの副作用について

当院で使用する狂犬病ワクチンでは、通常の混合ワクチンと同等の副作用が報告されています。

 

狂犬病ワクチンは不活化ワクチンとなりますので、一般論としては比較的副作用が出にくいものとなります。

添付文書はコチラ

接種後の手続きについて

高槻市にお住まい(登録済)のわんちゃん

当院が高槻市と委託契約を交わしておりますので、接種後さらに追加で手続きする必要はありません。

 

初めて狂犬病ワクチン接種を受けるわんちゃんは、同時に当院にて市への登録代行(+¥3,000)も可能です。

高槻市以外にお住まい(登録済)のわんちゃん

当院が接種後に発行する狂犬病予防注射接種証明書を持って、お住まい自治体の該当課にて手続きをする必要があります。

※多くの自治体では保健衛生課が担当されています。

 

手続きを管轄する自治体は正確には、わんちゃんが『現在登録されている住所』基準となります。

 

例えば、高槻市外から市内に転居された方が住所変更手続きをし忘れた場合の管轄は以前にお住まいの地域の自治体になります。

 

その点十分にご注意ください。

狂犬病ワクチンQ&A

フィラリア検査や他の健診と同時に実施可能か?

可能です。フィラリア検査を含めた血液検査では、ほとんど検査ストレスはかかりません。

 

ただしレントゲン/エコー検査などの画像検査も含めてしっかりと健診をする場合は、接種後に少し疲れやすくなります。

 

狂犬病ワクチンの副作用にご心配があったり実際に副作用を起こしたことのあるわんちゃんは、画像検査とは別日に接種することを推奨します。

ワクチン接種当日に内服薬を飲んでも大丈夫か?

基本的には問題ありませんが、診察時に常用している内服薬をお申し出ください。

 

また時期的にフィラリア予防薬と重なる場合がありますが、その場合は投与タイミングを1日空けてください。

 

ワクチンと薬の相互作用がある訳ではありませんが、接種と投薬が重なって状態で調子悪くなるとどちらが原因か判断しにくくなります。

混合ワクチンと一緒に接種できるか?

当院ではできません。

 

先に混合ワクチンを打った場合は、1ヶ月後以降に狂犬病ワクチンが接種可能です。

 

逆に狂犬病ワクチンを先に打った場合は、混合ワクチンは2週間後以降の接種となります。

 

基本の優先順位は「混合ワクチン>狂犬病ワクチン」(※当院の判断)です。

狂犬病ワクチンを打つ上で準備するものはあるのか?

あります。

 

高槻市にお住まい(登録済)のわんちゃんでは、市から郵送されます狂犬病関連書類の封筒をご持参ください。

 

書類が無くても接種は可能ですが、診察の時間帯によっては市への手続き代行ができない場合がございます。

※登録の確認が取れない場合はご自身で市への手続きをする必要があります。

過去に狂犬病ワクチンで強い副作用があった場合はどうしたらいいか?

オーナー様が接種を受けさせるか受けさせないか自己判断してはいけません(法律違反)。

 

まず診察に来ていただき、お申し出の上どのように対応するか一緒に相談しましょう。

 

比較的軽度の場合は、抗ヒスタミン薬の先制注射の上でワクチン接種を検討します。

 

重度(接種が生命に関わる)と判断される場合は狂犬病ワクチンの猶予証明書を発行します。

 

なお、猶予証明書の発行には診察が必要となります。

持病を持っている場合は打たないほうがいい?

持病を持っているわんちゃんへのワクチン接種の是非は、獣医師が判断する必要があります。

 

持病がありながらも体調が良好である場合は接種することがほとんどです。

 

もしワクチン接種によって持病が悪化する恐れがある場合は、狂犬病ワクチンの猶予証明書を発行する場合があります。

過去に狂犬病ワクチンの猶予証明書を発行してもらったことがある

獣医師が発行する猶予証明書は、その年度内のみ効力を有します。

 

よって過去に発行されていても、次年度以降は再発行する必要があります。

高槻市からの狂犬病関連書類の封筒が届かない

原因は以下の3つが考えられます。

 

  1. 引っ越し後に住所変更の手続きをしていない
  2. そもそも市への登録をしていない
  3. 市の手続き処理不備

 

私の経験上、ほぼ全て①か②です。③に関しては、私の記憶の限りでは有りません。

 

また、おそらく「家族が誤って捨てたケース」もあると予想しています。

 

今一度過去の記録あるいは記憶をご確認ください。

 

ご不明な方は、一度高槻市にお問い合わせいただくといいかもしれません。

高槻市保健衛生課:072-661-9331

ワクチン接種後に注意すべきことは何か?

以下の重大な副作用が発生しないか、よく観察をお願いします。

 

もし、該当する副作用が認められた場合は速やかに当院(休診時間帯は夜間病院)にご連絡ください。

 

  • 呼吸が苦しそう
  • 顔が腫れている(ムーンフェイス)
  • 異常な数の皮膚湿疹が出ている(薬疹:検索する場合は画像閲覧注意)
  • 誰が見てもぐったりして呼びかけへの反応も薄い

 

たかつきユア動物病院(木曜・日曜・祝日休診 9:30-12:30、16:00-19:00)

072-697-5505

support@takatsuki-your-ah.net

 

可能であれば、接種後のリスク管理法として午前中のワクチン接種を推奨します。

前年度で秋〜冬に接種した場合

わんちゃんを飼い始めた時期などの理由により、前年度のワクチン接種時期が秋〜冬になった場合も多くあります。

 

その際には最終接種から最低半年程度空けることを推奨します。

 

どうしても半年以内で接種しなければいけない場合は、一度診察にてご相談ください。

狂犬病接種済のシールはもらえるか?

当院オリジナルシール(以下)をお渡し可能です。

狂犬病2022シール

 

ただし、お渡し開始は4/14(月)以降となる見込みです。

※それ以前にワクチン接種した方には次回来院時にお渡しします

 

また当院は現時点で獣医師会に加入していませんので、獣医師会発行のシールはお渡しできませんのでご注意ください。

 

なお、シールの掲示(玄関先など)自体は法律上としては必要ありません。

最後に

今回はよくある質問へのQ&A形式という形で記載いたしました。

 

これ以外でも不明なことがある場合は、当院へお問い合わせもしくは受診ください。

 

たかつきユア動物病院(木曜・日曜・祝日休診 9:30-12:30、16:00-19:00)

072-697-5505

support@takatsuki-your-ah.net