院長の木村です。
本記事では「初めての動物病院に持って行くべきもの」をシーン別に解説します。
目次
⓪共通して持っていったほうがいいもの
①今までペットショップ併設病院以外を受診したことが無い犬猫
②違う動物は受診しているけど、別の動物を初めて連れて行く
③かかりつけ病院がある(あった)けど緊急で違う病院に連れて行く
④かかりつけ病院がある(あった)けどセカンドオピニオンで違う病院に連れて行く
動物病院自体が初めての方はもちろん、病院そのものは通い慣れているけど新しい病院を受診するという方も漏れが無いか確認いただければ幸いです。
⓪共通して持っていったほうがいいもの
全ての犬猫さんに言えますが、病気によって動物病院を受診する場合はサンプルや資料を持っていくと診断に役立つことがあります。
用意が難しければもちろん無くても大丈夫です◎
用意したいサンプルや資料は以下の通りです。
- 下痢をしている→新鮮便(半日以内)
- 嘔吐をしている→吐物そのものや吐物内容がよく分かる写真
- 頻尿・尿しぶりをしている→新鮮尿(半日以内)
- 発作や不自然な行動をしている→スマホで動画を記録
- 誤食をした→誤食物のカケラやサイズ・形が分かるもの
また、普段食べているフードやおやつ・間食の製品名が分かると診断や今後の治療に役立つ場合があります。
ペット保険に加入している場合は、保険証を持っていきましょう。
保険窓口となっている動物病院では、今後の保険金を請求する作業が省けることがあります。
①今までペットショップ併設病院以外を受診したことが無い犬猫
どの犬猫さんでも必ず1回は迎えるこの場面。緊張しますよね。
よくあるのは以下のようなケースです。
- ペットショップ併設病院でワクチンは受けたものの、遠くて不便だから近所の動物病院を探している
- 急に調子が悪くなったため近所の病院を受診したい
- 元々かかりつけ医を探すつもりでいる
さて、こんな時は何を準備してどんなものを持って行ったらいいのでしょうか?
必要なものは以下の通りです。
- 丈夫なキャリーケースやキャリーバッグ
- ペットショップから渡されている手帳や書類
- ワクチン証明書
- 食べ慣れたおやつ(猫ではちゅ〜る)
意外と見落としがちですが、使うキャリーケースやキャリーバッグの種類も重要です。
初めての病院に興奮したりパニックになったりした時に、丈夫でフタがしっかり閉まるタイプのものでないと逸走してしまう危険性があります。
初めて犬猫さんを飼われる方はキャリーケースやキャリーバッグをデザイン性にこだわって準備される方が多いですが、まずは丈夫さに注目してみてくださいね。
当院のおすすめキャリーケースについては以下の記事にまとめていますので、興味がある方はお読みください。
【獣医師監修】おすすめキャリーケース
②違う動物は受診しているけど、別の動物を初めて連れて行く
多頭飼育されている方のケースです。
通っている動物病院の受付や診察の大まかな流れはご存知だと思います。
ただ初診カルテには生年月日・予防歴・不妊記録を記載する欄がありますので、改めてその動物さんの資料を整理しておくと良いですね。
若い犬猫さんであれば①と同じ持ち物で大丈夫です。
保護猫や野良猫を連れて病院を受診する場合は、キャリーに入れる前に猫ちゃんを洗濯ネットに入れることをお勧めします。
極度の緊張状態にある猫ちゃんを動物病院に連れていってパニックを起こした場合、最悪何の検査や治療もできずに帰ることもあります。
ナーバスになっている猫ちゃんをなるべく診察できるように洗濯ネットに入っていてもらうと◎です。
③かかりつけ病院がある(あった)けど緊急で違う病院に連れて行く
時間的にも気持ち的にも急いでいる場面だと思いますので、全ての必要なものを持っていく必要はありません。
個体情報(年齢・性別・予防歴・既往歴・現在の症状)が分かる方がいるもしくは連絡が取れる状態で、現在服用・使用している薬の名前が分かるものがあればとりあえずOKです。
特に薬の名前が分かれば診察には非常に役立ちますが、最悪無くても大丈夫です。
もし簡単に探したら今までの検査データが見つかるようであれば、探して持参してください。
家中ひっくり返さないとデータが無さそうであれば、時間がもったいないので探さなくても大丈夫です。
あとお財布ですね。
まさかと思うかもしれませんが、こういう気が焦っている場面では結構な数の方がお財布を忘れたまま駆け込んでこられます。
特に初診の方でお財布なしのケースは、家から取ってくるまで診察が止まる病院もありますので忘れないように十分注意してください。
④かかりつけ病院がある(あった)けどセカンドオピニオンで違う病院に連れて行く
精度の高いセカンドオピニオンをご希望だと思いますので、揃えられる資料はなるべく全て揃えてください。
なるべく揃えたい資料は以下の通りです。
- 個体情報が分かるもの、分かる方(品種、年齢、性別、予防歴)
- 既往歴とその治療経過
- 手術歴(不妊時期も分かればなお◎)
- 検査データ(血液検査、病理検査、あればレントゲン、エコー、CT、MRIデータも)
- 現症状と治療内容(薬も全て実物を持っていく)
- (あれば獣医師の紹介状や経過報告書)
最後に
いかがだったでしょうか。
動物病院では、今の症状だけではなく既往歴や普段食べているフードなど様々な情報を総合判断して診断や治療をしていきます。
例えば、緊急症状でほぼ何も聞かされていない代理の方が受診された場合でもそれなりには診察は可能です。
しかし情報が少なければそれだけ必要な検査が増えますし、薬の飲み合わせも確認できないまま投薬していく危険性もあります。
大切な動物さんへの診察クオリティをなるべく上げるために、必要なものはぜひ持っていっていただくことをお勧めします。
どれを持っていければ迷ったらとりあえず全部持っていけば大丈夫です!
足りないよりは全然いいですからね。